4-4-3.等級制度の作り方-等級基準の決め方-分類法

分類法は等級基準を「・・・する職務」というように言葉で定義する方法です。

 

この方式は、運用が簡単なようで案外複雑です。けっして茶化すつもりはありませんが、たとえば上司の「常態的監督」と「詳細な指示」、「概略的指示」などの言葉は、どこからどこまでを常態的と言い、どこからどこまでを詳細と言い、どこからどこまでを概略的というのか、よくわかりません。「詳細な指示」を受けることは2等級の基準となっていますが、実際には役員クラスの人でさえ、上司から詳細に指示されているのではないでしょうか。7等級の基準にある「企業目標の達成のために業務を推進する」ということは、正社員なら誰でもあてはまることではないでしょうか。目の前にいる人をどの等級に分類するべきか、考えれば考えるほどわからなくなってゆきます。

 

結局、「常態的監督」を受けているか、とか「詳細な指示」を受けているかとか、文中にある要素を吟味するのではなく、「新入社員は1等級、一人前の一般職は2等級、・・・、部長クラスは7等級」というように、「偉さ」によって落としどころを決めた運用になってしまいます。職能資格制度が、建前は能力の等級であっても、実際には偉さの等級であるのと同じことになってしまいます。

 

分類法の例

等級

職務

7等級

経営トップと密接に連携しつつ、経営資源を最大限活用して、企業目標の達成のために業務を推進する職務

6等級

経営方針に基づき、専門的知識・経験を駆使して全社的視野の下で高度の企画・研究・開発などを行うと共に、担当業務の推進を図る職務

5等級

上司の概略的方針に基づき・、企画・研究・開発などを行うと共に、組織の核として業務を推進し、併せて後進の指導育成を行なう段階の職務

4等級

上司の包括的指示により、関連部門との折衝を図りながら、大部分自己の判断で担当業務の遂行を行う段階の職務

3等級

上司の概略的指示により、時には自主的判断を必要とするが通常は基準・原理・規則・先例に沿って、定型的業務を正確・迅速に処理する職務

2等級

上司の詳細な指示の下に、予め定められた方式に従い、定型的業務を処理する段階の職務

1等級

上司の常態的監督の下で、極めて定型化された業務を正確に処理する段階の職務   

(資料出所)「職務(役割)給の導入実態と職務(役割)評価―ホワイトカラーの多様な職務(役割)に対応した制度に向けて」第5章、笹島芳雄「職務等級(役割等級)制度の設計と管理」(雇用情報センター、2007年)

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