9-4.人事評価からパフォーマンスマネジメントへ

近年「人事評価からパフォーマンスマネジメントへ」ということが言われています。評価の目的が、処遇を決めることから、人の能力を開発したり、成果を促す行動を促したりすることに転換してきているという意味です。前出の高橋潔氏は、「人事アセスメント3.0」ということを提唱しています。勤怠・勤続の記録を中心とする「人事アセスメント1.0」から、成果や行動の評価によってインセンティブを与える「人事アセスメント2.0」を経て、業績のコーチングやパフォーマンスのマネジメントに資する「人事アセスメント3.0」へという流れです。

 

たしかに、この連載の初回でも述べたとおり、いまや40歳以上の層はほとんど昇給がありません。昇進はさらに少なく、定年まで平社員という人も珍しくなくなりました。賞与は残っているものの、賃金以上に速いテンポで下がっています。あるかないかわからない昇進や、僅かばかりの賞与格差のために血道を上げてはいられないという感覚を持つ人も増えてきました。決めるべき処遇のメニューが限られてきています。

 

それでは評価における不条理を小さくするために何ができるのか、成果を促す評価とはどういうものなのか、これについて次回以降考えてゆくことにします。

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