11-2.使える評価要素の条件

評価は「成果」「能力」「情意」の3要素に分けて行うのが良いとする考え方があります。この源流は日本経済団体連盟が1969年に刊行した『能力主義管理:その理論と実践』にあります。書名のとおり人事管理の制度と運用を日本で初めて体系的に示した本で、多くの企業がこの考え方を採用しました。

しかし成果はともかくとして、はたして能力や情意を把握することはできるのか、あるいは、情意を評価の対象にするのが適切かという疑問もわきます。評価要素はまず、当然のことながら評価可能なものでなければなりません。たとえば顕在能力(表立って見える能力)だけでなく潜在能力(表立って見えないが、持っている能力)も評価すべきだという意見があります。考え方としては正しいように思いますが、潜在能力が、果たして見ることが可能であるかどうかは疑問です。また、評価要素は業績と相関があるものでなければなりません。仕事ができない人が、評価では高得点になるようで困ります。

 

 

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