15-5.チーム性が高い仕事における目標設定

それではチーム性が高い仕事における目標設定はどのようにしたらよいのでしょうか。

 

まずはその仕事が本当にチーム活動に適しているのかどうかを再検討することです。

 

①その仕事は一人より複数人で担当した方が効率が良いのか。たとえば雑誌を作るのには複数人が適していますが、単行本を作るのには個人が適しています。

 

②その仕事の目標は、個人目標の総和だけでなく、チームで共有するものが必要かどうか。たとえばレストランに対する顧客満足度は、料理や接客係に対するものも重要ですが、店全体に対するものも必要でしょう。

 

③その仕事は相互依存性があるものか、スポーツでいえば「パス」に相当する行為がある仕事か。たとえばWEBコンテンツ作りではデザインや開発、保守などを担当する人が相互にパスを出し合っています。これら3つの観点から、チーム活動に適しているかどうかを再検討します。

 

第2に、個人目標だけでなくチーム目標も設定することです。ピン作りの例で言えば、個人目標としては自分が担当する工程におけるコストや時間、品質などの目標を立て、チーム目標としてはピンの生産量や不良品率などの目標を立てます。そして個人目標対チーム目標のウェイトを、1等級では20対80、2等級では30対70というように、等級別に統一します。このウェイトは、上で検討したチーム活動への適性の度合いに応じて設定します。

 

第3に、協力に関する個人目標を設定することです。チームにとって協力や良好な人間関係が重要なことは言うまでもありません。他のメンバーを励ますとか、対立を解消するなどの行動はチームの生産性を高めます。しかしこれらをMBOに組み込むことは困難なので、チームに対する情報提供や提案、課題解決などの形で個人目標を設定します。

 

 

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