16-2.目標の振り返り

中間運用で上司と部下が話し合うことは、目標の振り返りと修正の必要性です。振り返りは①進捗状況の評価と②達成行動の振り返りで構成されます。

 

部下はMBOシートに、目標がどこまで達成されているかという事実を書きます。そして今まで自分がとってきた戦略が効果的であったかどうかということも書きます。それについて上司は達成率をどう評価するか、具体策に改善すべき点はないかをコメントします。たとえば携帯電話を100台売るという目標があり、中間時点で50個売れているとします。単純に計算すると達成率50%ですが、季節性を考慮すると実質40%だとか、あるいは60%だとかいうことを示します。

 

達成行動に関するコメントはフィードバックです。よく「私はそんな説教めいたことを言う資格はない」という上司がいますが、これは謙遜のし過ぎです。フィードバックとはもともと機械工学の言葉で、「帰還」という意味です。心理学では、気付かせることによって望ましい行動を促すことを言います。本人は無意識にやっていることでも、傍から見ると美しかったりみっともなかったりすることがあります。それを気付かせることがフィードバックです。気付かせることは説教と言いません。目標設定理論が示唆するとおり、フィードバックがあるのとないのとでは、目標を設定する効果に大きな違いが出てきます。

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