20-2.管理者の負荷が高い

次に管理者の負荷です。これは負荷が高いというより、ごまかしがきかないといったほうが適切でしょう。

 

人事考課表の中にたとえば「自分の役割を正しく理解しているか」という項目があったとします。こういうことについて正確に吟味することは本来、目標の難度や達成度を測定することよりもはるかに困難であるはずです。MBOとて完全に客観的ではありませんから(完全に客観的であったらそもそも評価というものを必要としません)出てきた結果について議論の余地は常にあります。しかし評価者として、何を根拠にそのような難度や達成度に評価したかは相当程度説明できます。

 

これに対して、たとえば「自分の役割に対する理解」というような、主観的な評価基準はどうでしょうか。ある点数をつけたとして、何を根拠にそのような点数をつけたか説明できるでしょうか。役割に対する理解度を示す機会は無数にあり、そのひとつひとつについて、「こういう場合はこうすること」というような正解がないのに、どうして正確に採点できましょうか。あるいは四六時中監視しているわけではないのに、たまたま良いプレーあるいは悪いプレーを見たわけではないということをどうして主張できましょうか。

 

もちろん、いま述べたことを解決するのは夢物語であり、子供じみています。しかし本気でやろうとすれば、成果よりも行動の評価の方が難しいことは事実です。

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