22-3.コンピテンシーの、人事評価への応用

私は経営者の方に、社員の行動を評価するとき、「ディクショナリー」を利用するようお勧めしています。個別の企業が独自の評価基準書を作るというのは現実的でありません。作ったとしても、それが最良であるという保証はありません。それならば大研究の成果を利用する方が効率的です。

 

すべてのコンピテンシーについて評価するのは骨が折れるので、ウェイトで全体の上位80パーセントを占めるコンピテンシーについてのみ評価します。セールス職で言えば「自己確信」までです。ウェイトは合計で39あり、「自己確信」までで、累計29になります。80%には足りませんが、ほかのコンピテンシーはすべて等価なので取捨選択できません。項目数としては半分に減るにもかかわらず、ウェイトでは全体の74%を占めます。

 

実際に「ディクショナリー」を利用している会社の声を聞くと、評価に対する不満は在来型の人事考課に比べて少ないようです。これだけ詳しければ、文句のつけどころがないでしょう。行動の内容が非常にハイレベルだという声もよく聞きます。これはことの性質から言って当然でしょう。文章が難しいとか、一部意味不明であるとかの批判はよく聞きます。「ディクショナリー」を利用する場合は、評価者間で読み合わせ会を行うことが必要です。

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