23-8.定年は中小の方が延長しやすい

もちろん、そのときは60歳未満も含めて賃金カーブ全体を見直さなければなりません。賃金カーブとは年齢と賃金を対比したものであり、春闘でも「○○歳モデル賃金で△△円」というような要求が提出されています。さらに年齢に基づく賃金制度自体が議論の対象になるでしょう。たとえばNTTは、本格的な雇用延長に備えて、中年期以降の賃金カーブをより緩やかにすることで労使が合意しています。

 

中小企業にはもともと賃金カーブが緩やかなところが少なくありません。社員の採用は新規学卒よりも、いわゆる中途採用が中心なので、賃金カーブそのものが曖昧です。こういう場合、定年を65歳に引き上げることに伴う障害はほとんどありません。私が知る範囲でも、個別に雇用延長を繰り返すうちに、なし崩し的に定年が65歳になってしまった会社がありますが、その間賃金制度はいっさい変更していません。

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