第2は、新規人材の採用において慎重な選抜を行うということです。具体的には
①大きな母集団の中から選ぶ
②必要な能力や適性を明確にしたうえで選び、単に「優秀な人材」というだけでは採用しない
③採用後のスキルの活かし方をよく検討したうえで採用する
④入社後の社員教育でも習得できるスキルでは判断しない
⑤何度も面接を行い、採用に関して真剣であることを示す
⑥役員など上級の役職者を面接に参加させる
⑦常に採用手順の改善を図る
ということです。
雇用保証ということに関しては、大企業より中小企業の方がむしろ優れている面があります。たとえば大企業よりも中小企業の方が、60歳超の定年、あるいは定年制そのものがない企業の割合が高いです。しかしその裏返しというべきか、人材採用における慎重さに関しては、逆に中小企業が劣っています。採用というのは高い金銭的コストを伴うことなので、致し方ない面もありますが、正直、選考も何もない「先着順」の採用に私も何度か立ち会ってきました。代わりの人を採用できないので解雇できないという面もあります。大きな母集団など夢物語と言われるかもしれません。
そういう会社は、公募にこだわる必要はありません。経営者や社員の個人的なネットワークの中から探した方が、よほど母集団が大きいはずです。中小企業はややもすれば同業での経験の有無を重視しますが、経験による差など僅かなものです。それこそ、入社後の社員教育でも十分習得できるスキルです。