26-7.待遇の平等化

6番目は服装や言葉遣い、オフィス環境などにおける階層間格差を減少させることです。

 

まれに、時代劇さながらの階層差別をしている会社があります。差別をディスインセンティブ(脅し)にしているわけですが、こういう管理は成功しません。「上司が<カラスは白い>といえば、部下も<カラスは白い」という状況で、下克上を免れるために上司が採るべき最も効率的な戦略は、仕事で成果を上げることではなく、部下を徹底的に抑圧することだからです。

 

あるソフトウェア会社では、階層差別を徹底的に排除しています。社長ですら「さん」付けです。「君」は禁止です。社長から平社員に対しても敬語を使います。席の配置や椅子の形状なども全社一線です。親しい人同士がいわゆる「タメ口」を利くことまでは排除しませんが、上下関係の表れとしてのタメ口は禁止です。

 

給与の等級や役職はあり、もちろん権限の違いもありますが、それらを表に出さないようにしています。なぜそのようなことをしているかというと、年功序列に陥らないためです。敬語や役職でいったん上下関係を作ってしまうと、それを覆すことは容易でないからです。特に逆転された側にとっては耐え難い屈辱になります。そうならないように初めから階層差別せず、その代わり臨機応変にマネージャーやリーダーの交代を行っています。

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