28-3.公募より私募の方が成功する

 採用活動のスタートは募集ですが、これにはハローワークや求人情報誌などさまざまな形があります。こうした「公募」以外に「私募」ともいうべき、さまざまな人の紹介やパート・アルバイトからの転換、さらには募集以前に求職者側から押しかけてくるケースもあります。これらの募集方法のうち、企業にとって最も有利なものはどれでしょうか。

 

答は民間の職業紹介機関(人材仲介会社)を利用することです。これは企業側の満足度第1位です(グラフ参照)。「マッチングのプロ」は伊達ではありません。

 

企業側の満足度第2位の採用経路は「以前の勤務先の取引先等」です。企業が取引先の社員に対して「この人ウチに欲しいな」と思ったとき、それが期待通りである可能性は高いということです。ほかにも「以前の勤務先」や「現在の会社からの誘い」など、その会社の情報を豊富に入手しやすい採用経路は、概して高い満足度を示しています。

 

人材仲介会社や取引先、あるいは元の勤務先は、企業・求職者双方にとって、不都合な情報も含めて提供する経路です。これらの経路から採用された人の満足度が高いということは、建前やきれい事に終始する採用よりも、リアリズムに基づく採用の方が優れていることを示しています。

 

「親兄弟・親戚の紹介」という入職経路は、非常に低い満足度レベルを示しています。やはりコネ入社は会社のためにも本人のためにならないようです。

 

企業および従業員の満足度スコア2

(出所)黒沢昌子『円滑な転職のための環境整備』

 

 

 

 

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