30-2.業績と関連する5つの性格

社員は人柄が一番重要であり、人柄を知るには会って話をしてみるのが一番です。それでは具体的にどのような人柄が良いのでしょうか。

 

職業上の業績と高い相関(一方の数字が大きければ大きいほど、もう一方の数字も大きくなる傾向)を持つ性格として、「ビッグファイブ・パーソナリティー」と呼ばれるものがあります。

 

①誠実性(目的達成志向が強く仕事をきちんとこなす)

②外向性(社交的、話し好き、活発、集団を好む)

③協調性(親切で思いやりがある。人を信頼しやすく寛大である)

④情緒の安定性

⑤経験に対する開放性(何でも試してみようという姿勢)

 

の5つです(ナイジェル・ニコルソン『業績に影響を及ぼすパーソナリティの測定とその応用』ダイヤモンド社)。

 

中でも最も業績と関係が深いのが誠実性で、あらゆる職業において、業績を測るすべての尺度と有意な(偶然とは言えない)関連を持つという研究結果があります。情緒安定性も多くの職業で高業績につながっています。

 

面接で人柄がわかるのかという疑問もありますが、企業の鑑識眼は意外に正確です。前回このページでも紹介した黒澤昌子『円滑な転職のための環境整備』によると、「採用時の期待を上回った能力」の最上位は誠実性で、15%の採用例で企業がこれをあげています。期待を上回ったのですから「うれしい誤算」ですが、誤算であることに変わりはありません。しかし逆の見方をすれば、85%の採用例では誠実性が期待どおりであったということです。

 

協調性は「期待を上回った能力」としても「下回った能力」としても上位にあげられていて、両方を足すと22%になります(「誠実性」は「期待を下回った能力」としてはあげられていません)。これもやはり、78%の採用例で期待どおりだったということを示しています。

▲ページTOP