35-5.困難な仕事を進んで引き受ける

エンプロイヤビリティを高める戦略の二つ目は、進んで困難な仕事を引き受けることです。

 

神戸大学大学院の金井壽宏教授は、人の成長は漫然と漸進的に進むのではなく、ここぞというときに大きなジャンプがあるとしたうえで、そのジャンプの時期を「ひと皮むける経験」と名づけています。この経験があるかないかで、年齢を重ねてビッグになれる人と干上がってしまう人に分かれるといいます。

 

「ひと皮むける経験」は新規事業開発や新市場の開発など、ゼロからの立ち上げ、あるいは悲惨な部門・業務の事業改善・再構築などに多くみられます(図参照)。これらの経験は若いときに限らず何歳になってもできます。さらに、皮が1枚むけてしまったらそれで終わりではなく、2枚目3枚目の皮もむけます。先輩たちが語る「ひと皮むけた経験談」も傾聴する価値があります。

 

同じ給料でありながら、あえて火中の栗を拾うというのは勇気がいることです。しかし「若いときの苦労は買ってでもせよ」というのはデータからも裏付けられています。もっとも、若いときに限りませんが。

 

「一皮むけた経験」の内容別 

ひと皮むけた体験

(出所)金井壽宏『仕事で「ひと皮むける」』より執筆者作成

 

(参考文献)金井壽宏『仕事で「ひと皮むける」』(2002、光文社)

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