38-3.長時間労働の弊害とは

労働経済学者である玄田有史氏の調査によると、現在の仕事に満足している人の割合が一番高いのは週の労働時間が40~44時間の人たちです。

 

現在の会社に満足している人の割合が一番高いのは週労働時間が40時間未満の人たちです。

 

今の会社で働き続けたいと考えている人の割合が一番高いのは、同じく週労働時間が40時間未満の人です。

 

いずれのモノサシでも、労働時間が週70時間を超える人たちにおいて割合が最も低くなっています。

 

長時間労働の弊害が一番先に表れるのは健康です。病気休職の多くはすべて長時間労働の会社で起きており、そのほとんどがうつでした。

 

第二の弊害は勉強不足です。深夜に帰宅して休日も仕事があるような状況で、読書をしたり勉強をしたりする余裕があるはずがありません。

 

第三の弊害は新しいことへの取り組みができないことです。ただでさえ長時間労働をしている社員に、新規事業を開発したり新しいシステムを導入したりする余力はありません。

 

(参考文献)玄田有史『働く過剰-大人のための若者読本』(2005、NTT出版)

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