38-2.勤勉革命

日本人が非効率な働き方をするようになったきっかけとして、歴史人口学者である速水融氏がで唱えた「勤勉革命」という説があります。

 

江戸時代、農具が発達するなどして作物の収穫量が増えました。このとき幕府は農地を細分化することによって、それまで耕作に使っていた家畜を使えないようにしました。農具が向上したうえに家畜を使うと、効率が良すぎて失業者があふれ、社会が不安定になることを懸念したからです。同時に労働は美徳であるという考え方を持ち込みました。

 

ヨーロッパで「資本集約・労働節約」を目的とする産業革命が起きていた頃、日本では逆に「労働集約・資本節約」を目的とする勤勉革命が起きていたというわけです。

 

(参考文献)速水融『歴史人口学でみた日本』(2001、文春新書)

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