では賞与をどのように配分するか、一例として表に示したような方法があります。「個人別賞与支給額=月例賃金×成績係数×調整係数」です。
賞与配分の例
氏名 |
月例賃金 |
成績 |
成績 |
賞与支給額 (仮) |
賞与支給額 (決定) |
a |
|
b |
a×b |
a×b×3.13 |
|
アリス ボブ キャサリン ディック エレン |
300,000 350,000 400,000 450,000 500,000 |
S B A D C |
1.4 1.0 1.2 0.6 0.8 |
420,000 350,000 480,000 270,000 400,000 |
1,314,600 1,095,500 1,502,400 845,100 1,252,000 |
合計 |
2,000,000 |
|
|
1,920,000 |
6,009,600 |
(注)
- ①賞与支給額=月例賃金×成績係数×調整係数
- ②成績係数はS=1.4、A=1.2、B=1.0、C=0.8、D=0.6
- ③3.13は調整係数。平均で月例賃金の3か月分支給する方針。
表中の成績係数は一例であり、実際には各企業の方針により決定します。こういうものに正解はありません。もっと拡大的であっても縮小的であっても構いません。ただ、私がいろいろな企業に提案してきた限りでは、この数字が一番好まれます。
調整係数は支給額を原資に適合させるためのものです。賞与支給の都度決めます。いったんこれを1.0として仮の支給総額を計算します。
次に調整係数=1.0であるときの「支給原資÷支給総額(仮)」を計算し、これを最終的な調整係数とします。
表では原資を月例賃金の3か月分としました。月例賃金の総額は200万円です。これの3か月分である600万円が支給原資です。これに対して支給総額(仮)の合計は192万円です。調整係数は600÷192で3.13となります。
少数第3位で四捨五入しているので、最終的な支給総額はぴったり600万円にはなりませんが、問題にするべき誤差ではありません。
調整係数は賞与支給のつど変わるものの、そのつど社員全員に同じ値を適用します。