8-5-3.世間相場スライド分の求め方

世間相場スライド分とは、各種の統計に表れる世間相場に連動する分です。全産業平均、同規模平均、同業種平均など、いずれににスライドさせるかは会社の方針によります。

 

自社の業績と連動性が強いのは同業平均なので、数字が得られるならばこれをお勧めします。適当な業種分類が見つからない場合は、全産業や同規模の平均にスライドさせます。厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、2012年夏季賞与の、全規模(ただし従業員5人以上)・全産業の平均支給額は約36万円です。

 

しかし、今までたとえば50万円前後払ってきた会社が、いきなり36万円に連動させるわけにはいきません。これでは賞与が激減してしまいます。そこで約5年間の、指標(この場合全規模・全産業平均)に対する自社の支給額の平均倍率を求めます。これを指標に掛けた値を世間相場スライド分とします。

 

指標が36万円で実績が50万円であるならば、倍率は50÷36で1.39倍です。この会社では「世間相場スライド分=全規模全産業平均×1.39」ということになります。これで賞与原資の半分を決めます。

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