8-3.賞与をどう配分するか

では賞与をどのように配分するか、一例として表に示したような方法があります。「個人別賞与支給額=月例賃金×成績係数×調整係数」です。

 

賞与配分の例

氏名

月例賃金

成績

成績
係数

賞与支給額

(仮)

賞与支給額

(決定)

a

 

b

a×b

a×b×3.13

アリス

ボブ

キャサリン

ディック

エレン

300,000

350,000

400,000

450,000

500,000 

S

B

A

D

C

1.4

1.0

1.2

0.6

0.8

420,000

350,000

480,000

270,000

400,000

1,314,600

1,095,500

1,502,400

845,100

1,252,000

合計

2,000,000

 

 

1,920,000

6,009,600

 (注)

  • ①賞与支給額=月例賃金×成績係数×調整係数
  • ②成績係数はS=1.4、A=1.2、B=1.0、C=0.8、D=0.6
  • ③3.13は調整係数。平均で月例賃金の3か月分支給する方針。

 

表中の成績係数は一例であり、実際には各企業の方針により決定します。こういうものに正解はありません。もっと拡大的であっても縮小的であっても構いません。ただ、私がいろいろな企業に提案してきた限りでは、この数字が一番好まれます。

 

調整係数は支給額を原資に適合させるためのものです。賞与支給の都度決めます。いったんこれを1.0として仮の支給総額を計算します。

 

次に調整係数=1.0であるときの「支給原資÷支給総額(仮)」を計算し、これを最終的な調整係数とします。

 

表では原資を月例賃金の3か月分としました。月例賃金の総額は200万円です。これの3か月分である600万円が支給原資です。これに対して支給総額(仮)の合計は192万円です。調整係数は600÷192で3.13となります。

 

少数第3位で四捨五入しているので、最終的な支給総額はぴったり600万円にはなりませんが、問題にするべき誤差ではありません。

 

調整係数は賞与支給のつど変わるものの、そのつど社員全員に同じ値を適用します。

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