14-4.定性的な目標は成果物の形で

目標には数字で表現できるものとできないものがあります。前者を定量的目標、後者を定性的目標といいます。定性的な目標は成果物の形で設定します。たとえば「営業生産性向上策を検討する」ではなく「営業生産性向上に関する1万5千字以上の提案書を提出する」という形です。この場合、達成率は字数で単純に評価します。難度は目標設定の段階で仮に設定しますが、最終的には出来上がったものをみて判断します。内容がほとんど丸写しであったりしたら、難度設定が0点なので、何枚書いても業績になりません。

定性的な目標においても、何枚以上というような量は重要です。量が少ないということはわずかなことしか検討していないということです。試験で「○○字以内で説明せよ」というとき、マス目を最低でも9割は埋めなければならないのと同じことです。

スティーブン・R・コヴィー『7つの習慣』は、「緊急ではないけれども重要なこと」に優先的に取り組めと教えています。そういうことは多くが定性的です。しかし実際のMBOでは定性的な目標が上がってくることはまれです。会社はもっと、定性的な目標の価値を社員に強調する必要があります。

 

(参考文献)

スティーブン・R・コヴィー『7つの習慣』(2008、キングベアー出版)

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