17-4.評価面接では話させること自体が目的のひとつ

評価面接では、達成度に関する事実について上司と部下の間で確認をします。部下から要望が出された、考慮すべき環境変化や特殊要因をどう見るかについても回答します。評価面接はあくまでも達成度を決めるための面接なので、ここでは改善点や能力開発の方向性など、指導育成的なことは話題にしません。これらは後述するフィードバック面接で話し合います。

 

前出の『目標管理制度の実施状況と運用課題』によると、「目標達成度評価の問題点」として2番目に多くあげられているのは「評価面談の実施が義務付けられているが、面談が形式化している」ということです。形式化する理由は、評価者が、何を話題にするべきか、面接にどのような目的があるのかを理解していないところにあります。

 

話題にすべきことは①個々の目標項目の達成度、ウェイト、難度の3つの数字と、②その数字に決めた根拠です。面接の目的は、①事実誤認がないようにするためと、②評価に対する公正感を高めるためです。公正感を高める条件の②を思い出してください。面接で部下に発言させることは、評価に対する公正感を高めます。その意味で、とにかく話させるだけでも目的の8割方を達成したといえます。いきなり「あなたから何か意見はありませんか」と切り出す管理者がいますが、こんな聞き方では誰だって「特にありません」というに決まっています。上司の方から積極的に質問をして、部下の意見を引き出すようにします。

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