19-1.フィードバックとは何か

フィードバックとはもともと工学の概念です。百科事典マイペディアは「ある動作(入力)によって生じた結果(出力)の一部または全部を,原因側に戻し,加えまたは差し引いて出力に影響を与える循環作用。」と説明しています。心理学がこれを応用し、途中経過や結果に何する情報を本人に知らせることを呼ぶようになりました。

 

さまざまな研究で、フィードバックが生産性を有意に(偶然ではない水準で)向上させることが実証されています。私たちの日常生活を振り返っても、フィードバックが追加的な努力を引き出すことが実感できます。たとえば学生が勉強をするのも、その動機の大部分は答案が返却されるという「フィードバック」怖さでしょう。最も効果的なダイエットは法毎日体重計に乗ることだと言いますが、これもフィードバックの効果です。

 

フィードバックでは特別なことを話題にするわけではなく、達成度に関する事実や、今後も継続するべき努力の方向性、新しく取り組むべきことなどについて話し合います。しかし多くの管理者にとってフィードバックは、ただでさえ疎ましい評価のなかでいっそう疎ましい作業であるようです。失敗すると深刻な感情的対立につながりかねないからです。そのようなことにならないための、フィードバックにおける一般的な注意事項は次のとおりです。

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