24-5.役員の使命はリスクに挑むこと

役員の業績は株価で測るのが最善であるとお話ししました。しかし非上場会社は株価を知ることができません。そういう場合はどのようにして役員の業績を評価すればよいのでしょうか。

 

  • 役員の使命のひとつに、リスクに挑むということがあります。株式会社とは本来、リスクに立ち向かうための仕組みです。事業の元手を株式という形で小分けにして、多くの人々に投資してもらいます。仮に事業に失敗しても、集中投資をする人を除いては、投資家は破滅するわけではありません。こういう状況を作ることによって、会社はリスクに挑むことが可能になります。世界最初の株式会社であるオランダ東インド会社は、このような動機で1602年に設立されました。

投資家の側もひとつではなく複数の会社に投資することによって、リスクを低減させることができるようになり、多くの人が会社に投資することができるようになりました。

 

アップル、エクソン・モービル、グーグル。これらは2014年7月現在、時価総額でみた世界の3大株式会社です。アップル社は極めて少数の商品しか製造していません。いや製造はしておらず、開発と販売だけに集中しています。他の2社も同じように、得意なものだけに経営資源を集中しています。「選択と集中」というものです。電気機器にとどまらず住宅や保険などにも進出している、日本の電機メーカーに比べればかなりリスク選好的です。

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