25-1.昇進だけがインセンティブでは不足

人事に関する経営者の悩みのほとんどは、昇進だけをインセンティブにしていることに起因しています。もう一つのインセンティブとして有効なのが業績給です。営業は業績給が成果に結びつきやすく、営業向きの人はもともとハイリスク・ハイリターンの報酬を好む傾向があります。業績給は後戻りができません。初めは小さな金額で導入し、徐々に割合を高めてゆきます。

 

一般的な正社員にとって、昇進が最大のインセンティブ(努力する理由)です。賞与や昇給ももちろんインセンティブになりますが、強さは昇進にかないません。

 

しかし昇進をインセンティブにすると、困ったことがひとつ出てきます。昇進を重ねた結果、それ以上の昇進が望めない状況に置かれると、インセンティブを失ってしまいます。その結果、組織の上層部は意欲が低い人によって占められるという、「ピーターの法則」といわれる現象です。私が経営者の相談に乗ってきた限りでも、悩みの八割方はピーターの法則に起因しています。

 

昇進を温存しながら社員の意欲を喚起するためには、別のインセンティブが必要です。そのひとつとして特に営業職に有効なのが業績給です。昇進には限界があっても、業績給に限界はありません。業績給があれば、営業職は目標を達成してしまっても努力をやめません。会社としても、十分に達成が可能な、モチベーションが上がる目標を与えることができます。

 

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