25-11.何に対して払うか②_成長期にある企業の目標

成長期とは事業の最初の段階です。新設の企業や、既存企業の新規事業がこれにあたります。この段階の事業は新製品の開発や設備の導入、人的ネットワークの形成など、何かと投資がかさみます。利益を求めても厳しいものがあります。

 

そこで成長期には売上を重視します。新商品や新サービスを「取り扱いを始めてから○○年以内のもの」というように定義し、それらの商品の売上に対して歩合を払います。

 

成長期には新規顧客獲得も重視します。新規顧客の獲得件数に対して歩合を払います。

 

顧客獲得を指標にすると、「すぐ解約しても良いから契約して」と顧客に頼む営業パーソンが出てくることは容易に想像できます。そうならないように、短期間で解約した場合には歩合を返還してもらう(翌月の歩合から差し引く)条項を入れておきます。

 

顧客を開拓したあとは取引を深耕することにインセンティブを与えます。契約後顧客から支払われた収入に対して歩合を払います。

 

生命保険会社の営業パーソンは、新規の契約を獲得すると高い報酬が得られる制度になっています。ただし契約後何年かのうちに解約した場合、歩合を返還するという条項があります。そのために保証人まで要求します。さらに、その何年間かが過ぎた後でも契約を維持させるように、契約が続いている限り保険料収入に応じた歩合が入る仕組みになっています。

 

新しい会社や事業にとっては、どんな顧客でも手当たり次第に攻略するのではなく、特定の地域や客層をターゲットとして定め、そこを重点的に攻略するのが一般的です。その分野での顧客獲得や売上に対してだけ歩合を払う、あるいは歩合の率を高めることも有効です。

 

市場にはセグメントというものがあります。直訳すると「階層」です。法人の場合は「千代田区にある従業員50~100人の小売業」という具合に、業種、規模、地域で分けるのがもっとも基本的です。個人の場合はしばしば年齢や性別、職業によって区分されます。

 

ターゲットを決める場合、顧客をセグメント化することから始めます

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