25-14.成功したければ実験しよう

営業パーソンのインセンティブを導入するにあたって最大の難関は、「裏目に出たらどうしよう」という不安ではないでしょうか。固定給としての賃金制度なら、よほどひどいものでない限り、導入して後悔するということはありません。しかしインセンティブは、不適切なものを与えるとたいへんなことになります。

 

何に対して何%の歩合を払うか、基本給と歩合の割合は何対何にするか、歩合に上限を設けるか、何か月サイクルで払うか、・・・これらの問題に最初から正解を用意することは正直、無理です。

 

そんなリスクを減らす良い方法があります。「ABテスト」です。ホームページをデザインするときや、商品の価格を決めるときによく用いられる方法です。A案とB案を実際に試してみて、結果が良かった方を採用するという、実に簡単な方法です。

 

ウリ・ニーズィーとジョン・A・リストは「自分の思いつきに惚れ込んでしまう経営者を、ぼくたちはいやというほど見てきた。そんな思いつきを、疑いもせず無邪気に世界にぶちまけて、派手に転んでしまう。(略)対照的に、実地実験をやっている企業は大小含めてちゃんとあり、彼らは利益を上げ、お客さんを呼べている」と言っています(『その問題、経済学で解決できます。』東洋経済新報社)。実際、インセンティブを取り入れている企業の多くは、実験によって制度を洗練させています。

 

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