25-6.上限を設けることは逆効果

第二に、報酬には上限を設けないということです。

 

前回、業績給が効果を持つ職業の例としてスポーツ選手をあげました。かの人たちの年俸に上限があってもよいという人はいないでしょう。

 

しかし経営者は自分の会社に業績給を導入する場合、上限を設けたがります。理由として最も多いのは「棚ぼた」です。本人の努力と関係ない特殊要因で売上が一時的に増えることがあります。こういうものに報酬を払いたくないというわけです。

 

ハーバード・ビジネススクールのダグ・J・チュン助教授は「大企業のほとんどは手数料報酬に上限を設けているが、これは優秀な営業担当者のモチベーションと努力を削ぐ」と述べ、報酬上限を廃止することによって九%の売上増を達成した事例を紹介しています。

 

(参考文献)

ダグ・J・チュン『営業を本気にさせる報酬制度とは』(ハーバード・ビジネス・レビュー2015年8月号所収)

 

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