25-8.報酬は均等に

4番目の留意事項は、複数の商品に業績給を設定しても、営業パーソンは最も効率よくお金を稼げる商品の販売にしか取り組もうとしないということです。複数の商品をバランスよく売りたいならば、(相当難しいことですが)営業パーソンが1時間働いた場合に得られる報酬が均等になるように歩合の率を決めなければなりません。このことは「均等報酬原理」と呼ばれます。

 

携帯電話は料金の仕組みも複雑ですが、会社から販売代理店に支払う奨励金の仕組みもまた複雑です。子会社であるインターネットプロバイダーとの契約や、無線LANルーターの接続率などにも奨励金がかけられています。ある代理店はこれらの奨励金制度に対応しようとして、社員に多様な業績給制度を導入しました。しかし社員は結局、電話機の販売にしか興味を示しませんでした。電話機の販売に集中することが、一番効率よく業績給を稼げるからです。

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