26-4.自己管理チームと権限の委譲

第3は、基本的な組織のありかたとしての、自己管理チームと権限の移譲です。

 

チームとは、メンバーが協調することによって個人の能力の総和以上の能力を発揮することを目的とするグループのことです。自己管理チームとは、従来は上司が持っていた権限をチームメンバーに移譲するチームのことです。たとえば作業の進め方や作業の分担、作業速度の管理などの権限を委譲します。ときにはメンバー自身が新たなメンバーの選定を行うこともあります。自己管理チームは管理されないのではなく、メンバー自身によって管理されます。

 

チームで働かせることのメリットには、①労働意欲が高まる、②仕事に対する満足度が高まる、③労働生産性が高まる、④管理者の時間とエネルギー、さらには余計な管理階層を節約できる、②優れた問題解決をすることができる、③社員が会社の業績に対して責任を感じるようになるなどのことがあります。

 

管理階層を節約できるというと、管理職の立場はどうなるのだと思われるかもしれませんが、フェファーによると、自己管理チームを導入することは、管理職や管理部門スタッフのリストラにはつながりません。新製品の開発や新規市場の開拓、最新技術の導入など、管理職の手腕を必要とする業務はほかにもたくさんあり、これらの業務に配置転換することによって、雇用保証を守りながら、管理職や管理部門のスタッフに意義ある仕事を与えることができます。

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