27-4.仕事体験以外の情報開示

仕事の体験以外にリアリズムに基づく採用を行う手段としては、社員が仕事で辛かった体験を率直に述べる「本音セミナー」や、営業に同行するなどの「1日体験入社」、中小企業には難しいかもしれませんが、ダイヤモンド社刊『会社図鑑』に取り上げてもらうことなどがあります。

 

リアリズムに基づいて提供する情報は、仕事内容はもちろんのこと、サービス残業がどの程度あるのか、年休はどこまで取得できるのか、昇進・昇格の実施状況、労務管理方針などは最低限必要です。

 

労働基準法の遵守状況について、「法律だから守っているという前提だ」という建前論はリアリズムの正反対です。応募者によって最も気になるのはこのことであるはずです。

 

労務管理方針を論理的に説明できるかどうかは、社員を大切にする会社であるかどうかを推測する有効な手がかりになります。ウソの方針は論理的に説明できないので、どうしてもほころびが出てしまいます。

 

ある会社の社長は「『法律を守っていたら商売が成り立たない』という商売は持続性がない」が口癖です。あるいは「お客様は神様ではない。人間だ。お客様が神様で社員が人間なら、社員には何をさせても良いことになる」が持論である社長もいます。もちろん口先だけではなく、実際にそういう経営をしています。

 

(参考文献)

リクルート・ワークス研究所、『Works』2001年10月号

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