31-3.トレーニングサイクル

もちろん中小企業にも、教育訓練に熱心は会社はたくさんあります。そういう会社は、訓練は会社の責任であるという認識、あるいは社員には訓練を受ける権利があるという認識を持っています。

 

しかし欲を言えば、訓練が計画的に行われているといえる会社は多くありません。トップが、社員のためになりそうなセミナーを見つけたら適宜受講させる、あるいは社員がMBO面接などで、受けたい訓練を申告するという、受け身型が大半です。

 

教育訓練は受け身よりも、「会社側から攻める」という姿勢で行う方が効果的です。戦略を実現するために必要な能力が何であるのかを見極め、その能力を獲得するために必要な訓練を行う。訓練が終わったら効果の検証を行い、次回の訓練に活用するという姿勢です。

 

「トレーニングサイクル」というものがあります。これに則して計画を立てると、訓練はより効果的なものになります。トレーニングサイクルの概略は次のとおりです。

 

  1. 訓練ニーズの特定:どのような訓練を受けたいか、受けさせたいかを聞き出す。
  2. 訓練ニーズの分析:社員が現状で持っている能力と訓練ニーズを比較する。
  3. 訓練方法の決定:OJT(職場内訓練)かOff-JT(職場外訓練)かなど。
  4. 訓練の責任者を選定する。
  5. 訓練の実施
  6. 訓練の成果を評価
  7. 評価結果に基づき、次のトレーニングサイクルに入る。

(須田敏子『HRMマスターコース』2005慶應義塾大学出版会)

 

 

 

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