顧客を増やす、あるいは利益性あるものに変えてゆくためには、自社が提供する商品を魅力あるものにしなければなりません。これに関する目標を「差別化要因」といいます。差別化要因の基本は「時間」「品質」「価格」です。
時間に関する目標の基本は速さです。「待ち時間」や「リードタイム」(注文を受けてから顧客に届けるまでの時間)はその代表です。「初回の電話での問題解決率」もあります。
品質に関する目標で代表的なものには「不良品発生率」「返品率」「クレーム発生件数」「修理要求発生率」などがあります。
価格に関する目標の基本は「競合他社と比較した平均価格」です。送料や支払い手数料など、顧客が負担するコストを削減することも目標になりえます。
差別化要因で重要なことは、「すべてが最高」を目標にしないことです。フランセス・フレイとアン・モリスは「成功するサービスの4つの原則」の一つとして、「『すべてが最高』には無理がある」ということをあげています。顧客が重んじていない点でのサービスをあえて犠牲にすることによって、顧客が最も重んじている点でのサービスの質を高めるべきだという意味です。
主要業績指標 | 顧客満足度、顧客定着率、新規顧客獲得率、市場占有率(シェア) |
差別化要因 |
時間:待ち時間、リードタイム、初回の電話での問題解決率、納期遵守率 品質:不良品発生率、返品率、クレーム発生件数、修理要求発生率 価格:競合他社と比較した平均価格、送料、支払手数料 |
(参考文献)
フランセス・フレイ、アン・モリス『ハーバード・ビジネススクールが教える顧客サービス戦略』2013、日経BP社)