15-3.個人目標だけの設定なら、しない方が良い

目標の立て方とチーム活動の成果に関しては、ミッチェルとシルバーが1990年に行った実験があります。

 

この実験は、チームで協力してブロックで塔を建てるという作業を、

A:個人目標のみを設定

B:チーム目標のみを設定

C:個人目標もチーム目標も設定

D:最善を尽くすよう伝えたが目標はなし

という異なる4つの条件下で行いました。

 

その結果、最も成果(積み上げたブロックの平均数)が高かったのはCで、以下D、B、Aの順でした。また、チームのメンバーが協力的な手段を最も多くとったのはDで、以下C、B、Aの順でした。

 

この結果は、チーム性が強い仕事では個人目標だけでなくチーム目標を設定するのが良い。個人目標だけを設定するくらいなら、むしろ無目標の方が良いということと、チーム性が高い仕事では、目標がなくてもメンバーは進んで協力的な行動をとるということを示しています。

 

(参考文献)古川久敬、柳澤さおり、池田浩『人的資源マネジメント』(2010、白桃書房)

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