リスクに挑むことが役員の使命であるならば、その評価はプロジェクトの提案をどれだけしたかで決めるべきです。
経営者の方からよく聞くぼやきのひとつに、役員がアイディアを出さないということがあります。しかし、ひょっとして、下手に提案などしようものなら「じゃああなたがやってくれ」と言われ、会社をあげての協力などは望めず、成功して当たり前で、失敗したら厳しく責任を追及される。その一方で提案などしなくても従業員より高い給料がもらえて、解任されるおそれはほとんどない。そういう状況になってはいないでしょうか。これでは提案など出てくるはずがありません。
リスクに挑むといっても、やみくもに危険な賭けをするということではありません。不確実性は伴うものの、失敗しても会社が破たんしない範囲で、有望なプロジェクトをみつけて提案するということです。確実で有望なプロジェクトがあればそれに越したことはありませんが、残念ながら世の中にそういうものはありません。