7つの条件の4番目は、組織の業績に連動した成功報酬です。ゲインシェアリング(節約賃金分配制度)やプロフィットシェアリング(利益分配制度)、ストックオプションなど、明確な算式をもって、基本給に対して追加的に支払われる報酬、しかも個人業績ではなく会社の業績に応じて支払われる報酬のことです。
IT系のある会社では、賞与の制度そのものがありません。希望者は6月と12月にそれぞれ1か月分を「賞与」として受け取ることが可能ですが(もちろんそれを考慮して基本給を決めます)、これを選択した人は過去1人もいません。
この会社にはその代わり、ゲインシェアリング制度があります。あらかじめ決めておいた労働分配率(人件費÷付加価値額)を下回った場合、差額の人件費を社員に還元します。もちろん、労働分配率が予定された値を上回った場合は1銭の支給もありません。まだ設立から5年ほどしかたっていない会社ですから、黒字化していませんが、成功度の一つの目安として従業員の定着率をみると、去年は95%でした。過去3年間、傷病休職者は出ていません。