第四は訓練費用の返還に関する契約です。訓練後短期間で辞めた場合は、費用を返還してもらうようにします。
国家公務員は法律で、留学から復職後、5年以内に退職した場合は、留学費用を留学後の在職期間に按分して償還しなければならないことになっています。民間企業でも多くがこれと似た制度を導入しています。
留学のように費用が多額であり、特定個人にかけた金額を明確にできる場合はこれも有効です。こういう条項がまったくなしでは、国も企業も留学などさせられないでしょう。ただしこの方法は、新入社員研修やリーダー研修など、業務命令として強制的に受講させる訓練には使えません。
この方法の良いところは、辞めそうにない人をふるいにかけられることです。こういう契約があれば、たとえ費用を返還するにしても、辞めるときにどうしても後ろめたさを感じてしまいます。「辞めたいけれど辞められない」という気持ちを持って働くのは最悪です。その結果、容易に辞める意思がない人しか志願しなくなります。