37-4.改革は中小企業の方がやりやすい

職務価値給は大企業の特権ではありません。むしろ中小企業にこそ条件がそろっています。大企業にはさまざまな部署があり、営業部から総務部に行ったり、総務部から企画部に行ったりという具合に配置換えがあります。そのとき「あなたは仕事が変わったから賃金も変えます」と簡単に言いきれるものではありません。これに対して中小企業では、営業部で入社した人は定年まで営業部、総務部で入社した人は定年まで総務部というように、ずっと仕事が変わらないのが一般的です。変わったとしても営業の初級から中級、中級から上級というような、同じ系列で職務価値が高い方への異動です。

 

職務給を導入するとなると、職務の価値を測らなければなりませんが、世界中に支店や工場があり、何百職種とある大企業で、それらすべての価値を公正に測るのはとても難しいことです。その点、中小企業は拠点も職種もそれほど多くなく、社長が社員全員の仕事内容を覚えていることも珍しくありません。職務価値を測ることは格段に容易です。

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